かってアジアは移民の送り出し国として知られていましたが、現在、受け入れ国が増えつつあります。その中でも突出しているのがシンガポールで、都市国家ではありますが、小さな移民大国とも言えます。19世紀前半にイギリスの植民地となったシンガポールは、中国やインドなどから多くの労働者の移住が進み、多民族化が進みました。1963年にマラヤ、サバ、サラワクと共にマレーシア連邦を結成し、イギリスから独立した後、1965年にはマレーシアから分離し、都市国家となり今日に至っています。
もう一つ注目に値するのが台湾です。1999年に入出国及移民法を制定し、2007年には、内政部に入出国及移民署(2015年に移民署に改称)を設置しました。移民署は、国境管理の強化、国家安全保障、多元文化の尊重、移民の人権保障を基本理念に掲げています。移民事務組が移民相談・支援・人権保障を担当しています。2011年に、12月18日を移民の日に定めました。
シンガポール
台湾
関連文献
シンガポール
山脇啓造「シンガポール」(JIAM、2011年8月)
台湾
内政部移民署(National Immigration Agency, Ministry of the Interior)
労働部労働力発展署(Workforce Development Agency, Ministry of Labor)
山脇啓造「台湾の移民政策」(JIAM、2015年10月)
関連文献
山脇啓造「台湾の移民政策」(2015年10月)
今泉慎也「外国人労働者受け入れに関する法的枠組み-韓国と台湾の比較を手がかりに」『東アジアにおける人の移動の法制度』(アジア経済研究所、2012年)
『移民開国-アジアに学ぶ外国人労働者受け入れの光と影』(朝日新聞、2013年)