日系人とは、海外日系人協会によると、日本から海外に本拠地を移し、永住の目的を持って生活している日本人並びにその子孫の二世、三世、四世等を指す。現在、国外にはブラジルや米国を中心に約250万人、国内にはブラジル人やペルー人を中心に約30万人の日系人が滞在していると推定される。

日本政府は、1990年6月の改定入管法の施行以来、日系人2世、3世およびその配偶者の受け入れを推進し、「日本人の配偶者等」「定住者」という在留資格を認め、日系ブラジル人等を実質的に合法的な非熟練労働者として受け入れてきた。

2008年9月のリーマンショック後の世界的金融危機の中、日系人労働者の失業問題および子どもの不就学が深刻化すると、2009年1月に内閣府政策統括官(共生社会政策担当)のもとに定住外国人施策推進室を設置し、緊急対策を打ち出し、2010年8月には「日系定住外国人施策に関する基本指針」を、2011年3月には「日系定住外国人施策に関する行動計画」を策定した後、2014年3月に指針と計画を一本化した「日系定住外国人施策の推進について」を策定した。1990年代以降急増したニューカマーと呼ばれる国内在住外国人の中で、最も手厚く支援を行ってきている。

これまで内閣府が所管してきた「日系定住外国人施策」は、「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」(2018年7月24日閣議決定)により、同日付けで法務省が担うこととなった。

(写真:NPO法人豊橋ブラジル協会が運営するネットラジオ局「ラジオニッケイ」、2010年3月撮影)