アメリカは、1965年の移民国籍法によって、ヨーロッパからの移民を優遇する国別割当制度を廃止し、中南米やアジアからの移民が増加しますが、その中には中南米特にメキシコからの非合法移民が多く含まれていました。その結果、1986年の移民改革規制法によって、数百万人単位での非合法移民の合法化が進められました。

しかし、非合法移民の数はその後も増え続け、移民の受け入れに反対する草の根の運動が広がりました。1996年には非合法移民への行政サービスが禁止され、合法移民への行政サービスも制限されます。

2001年の同時多発テロ事件以来、アメリカの移民政策は安全保障の観点から見直されるようになりましたが、非合法移民の数は1000万人を超え、移民政策の改革(特に非合法移民の合法化)は2000年代以降、アメリカ政府の主要な課題となっています。

アメリカでは、移民統合政策への関心は低かったのですが、2006年に政府は移民統合政策を検討するため、新アメリカ人特別調査会(Task Force on New Americans)を設置しました。調査会は2007年に新たな移民を支援するウェブサイト “WelcometoUSA.gov” を開設し、2008年に報告書”Building an Americanization Movement for the Twenty-first Century”を取りまとめています。

市民団体も全国ネットワーク National Partnership for New Americans を結成し、2008年から National Immigrant Integration Conference を開催しています。

Task Force on New Americans