中国帰国者
厚生労働省:中国残留邦人等への支援

戦前、日本から中国(旧満州)に移住し、戦後やむをえず中国に残り、1972年の日中国交正常化以後、日本に戻ってきた日本人とその家族(配偶者や2世、3世)を指す。国費での永住帰国者は約7千人弱、その家族を含めると2万人余り、自費帰国者を含めると約5万人と推定されている。

国は、中国帰国者が地域社会に定着し日本の生活に適応することを促進するために、帰国直後に基礎的日本語や生活習慣などの集中研修を行う施設を設立することを決め、その運営を財団法人中国残留孤児援護基金(現 公益財団法人)に委託した。永住帰国直後から4か月間、日本での適応を促進するため日本語教育、生活指導及び定着地のあっせんなどを行う「中国帰国孤児定着促進センター」が埼玉県所沢市に1984年、開設された(1994年に「中国帰国者定着促進センター」と改称)。

帰国者とその家族は、まず中国帰国者定着促進センターで4ヶ月(2004年から6か月)過ごし、次に各地で生活を始め、中国帰国者自立研修センター(全国13か所)で8ヶ月、日本語研修などを受け、その後も、中国帰国者支援・交流センター(2001年東京と大阪に開設)で継続的な支援を受けることができた。

全国各地の中国帰国者自立研修センターは2013年3月にすべて閉所した。また、中国帰国者定着促進センターも2016年3月に閉所した。

代わって、全国7つのブロック毎に開設された中国帰国者支援・交流センターが、帰国者とその家族の自立のために、日本語学習支援、交流、地域支援、生活相談、情報発信や普及啓発事業などを行っている。

一方、中国帰国者支援・交流センターは全国7つのブロック毎に開設され、帰国者とその家族の自立のために、日本語学習支援、交流、地域支援、生活相談、情報発信や普及啓発事業などを行っています

帰国者1世は高齢化が進み、地域社会での孤立化が深刻な問題となる一方、2・3世家族は、言葉や生活習慣の違いに加え、厳しい経済状況下、職場や近隣、学校などで、さまざまな適応上の困難に直面してきた。